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   深度 、急速潜行~
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▼小林泰三「ネフィリム」読了。
 想像を絶する駄作。つーか、なんとかいろいろ詰め込もうとして、どれも中途半端、ですらなく、ちょいと触れただけで何も語られてないレベルで、これ、未完成原稿を集めてとりあえず本にしてみました、とかそういうモンなんじゃないの? とか本気で思ったわけですが。
 遺伝学フィクション的な仕掛けとしては「二十螺旋の悪魔」の足元にも及ばず。ヴァイオレンスヴァンパイアアクションとしては「夜叉姫伝」に数十周の周回遅れ(まぁ夜叉姫伝が名作すぎることは割り引くべきにしても) ヴァンパイアの人間性的な描写については、日本人の吸血鬼作家はどいつもこいつも偏執狂的に強まってるわけで、その中では実に論外。
 ネフィリムという名を使った作品としては「石の夢」の素晴らしさを連想してしまうともう論外。ただまぁ、本文中にはネフィリムの名はほとんど登場しないのでこれはまぁ置いとくか?
 題材自体が強力すぎるので、まぁおおむね誰が書いてもそれなりのデキにはなるのがヴァンパイアものですが、そのぶん、見る側だって評価は甘くねぇわけです。小林泰三の腕前そのものが悪いわけじゃないので、勢いよく読めたことは読めたんですけど。
 割り切って、もっと静かなヴァンパイアサイエンスフィクションとして突き詰めてしまえば、特有のやたら理屈っぽい会話劇とかが冴えたんじゃないかと思います(理屈屋ばっか出てくる話は絶品だからなぁ、小林泰三)が、勢いで勝負しようとしてるところにヴァンパイアの遺伝学なんぞ蛇足もいいとこ。むしろ語ったおかげで印象が散漫になる。その他、理屈やら設定やら裏書やらと思われるものが、すべて「書き始めてみたけどあんまし煮詰まらなかったんでやっぱ深入りするのやめました。でも消さずにおきます」的なレベルにとどまっており、もうダメ。そうでないものは「最強」とか「最強から二番目」とか、キャラに強さの順列つけただけで設定だと思い込んでる中学生レベル。
 そうした理屈の浅さ(皆無ならむしろよろしいのに)は、ホントに「今回は入口だけ」で続きを書く気だとしたらまぁアリかもですが、だとしたら最初から規模がデカすぎ。
 とくに日本人ヴァンパイア作家に顕著だと思われる、ヴァンパイアの無敵性よりも永遠性を重視する視点がなく、無敵性に絞ってる面は特徴的ですが、それならもうヴァンパイアという題材をやめてもいいんだよなぁ。ヴァンパイアストーリーではなく、なんかすげぇ伝染性のモト人間怪物が大暴れ、にしとけば、他のヴァンパイアストーリーと比較されることもないっつーのに。吸血行為すらろくにせず、物語的な意味がない(エネルギー補給と仲間の増産にしかなってない) ヴァンパイアでなければならないもろもろの要素がまるで使われずに放置されてるんでなぁ。
 ……と酷評してみてネット上の書評見て仰天。みんなベタメーホじゃねぇか。
 オレがズレてるのかなぁ。
 オレのセンスがどんなかというとだ。小説媒体で最強の吸血鬼モノは夜叉姫伝であると確信しております。以下はずっと離れて、二番目が吸血鬼カーミラ、三番目が吸血鬼ドラキュラ、次が石の夢、あたりでしょうかね。吸血鬼ハンター D はシリーズ 2~5 あたりが良作だと思います。実はひっそりいくつか書かれてる栗本薫の作品も的を絞ったつくりで上々。ひっそりと「ウェディングドレスに紅いバラ」なんかも好きですが、あれは当時であればこそアリだったモノで、今新作としてあれ読んだらボロクソかもなー。
2007/10/27 (Sat)
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