深度 、急速潜行~
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[Life as a Half Drow]Personal Handyphone System
▼「おい、こいつらはケータイってモンを知らんのか?」
 FATE 7 話を観終わって、例によって UFO メン(ゲームのほうも遊んでるので、疑問点のうち「単にアニメでは舌足らずで語られなかった点」についてはとりあえず氏に訊いておくと解決したりする)に噛みついてみたわけですが。
 返答についてはとりあえず……ゲーム遊んでないとネタバレに相当するのかどうかも想像がつかんので書かずにおきますがしかし、納得できるものでは、なかったかなぁ……。
 現代日本の重要な特徴のひとつはケータイの普及でありましょう。いやまぁ、日本に限らず先進国全般についていえることかもですが、他国のことは知らんので。
 ほんの十年前はこうじゃなかった。十年ちょっと前には、ツルんで遊びに出かけた仲間とちょっとはぐれちまったときに、誰もケータイなんて持ってなくて、誰かの下宿先の留守電を経由して連絡を試みたりとか、そんなコトをしてたわけですが、それからもすぬごい勢いで普及し、わたしとしてはずいぶん遅くまで「持たない」派として突っ張ってたつもりだったんですがまぁそれでも前世紀中には導入しちまいました。今でももちろん持ってないツレとかもいますが、まぁ、圧倒的に少数派であると云ってしまってよろしいでしょう。
 こいつは強敵です。
 さんざん現代日本を舞台にしたのシナリオを書いてきましたが、毎度毎度こいつには悩まされます。進歩のペースが早すぎるんじゃよ。1980 年代日本を舞台にした「現代日本モノのシナリオ」であるところの「黄昏の天使」では、こんなブツは少なくとも一般に使われるようなアイテムとしては登場してなかった(よね? 今手元にないんですが) まぁ、今となっては 1980 年代を「現代」と呼ぶのもどうかって気はしますが。2000 年代に「現代日本」が舞台なら、よほどの山奥でもなければケータイは通じると考えてしまってよさそうです。というかプレイヤーはそう考えるでしょう。もちろんキャリア等による有利不利はあるでしょうが、そこまでフィクション中で意識する必要はないでしょうし。
 まぁだから、1980 年代と 2000 年代はいいとしよう。
 1990 年代の、とくに後半が激動の時代でした。
 1998 年の日本(関東のはずれ)にある全寮制の学園*1 を舞台にした「クトゥルフの呼び声」のキャンペーンを作ったときには「へんぴな場所にあって学内は電波が届かない」と言い張って禁止したりもしたわけですが、2006 年の日本を舞台にしてたらこれはなかなか通らない言い訳でしょう。というか、それ自体が通っても、学外では使えるならとガンガン装備されそうだし。
 考えてみりゃ恐ろしい装備だよなぁ。
 日常生活では PC(パーソナルコンピュータ)やインターネットの進歩というか浸透の便利さをは実感する機会が多いですが、ワイヤードワールドそのものを舞台にするのでもないかぎり、「現代日本モノの TRPG」ではこれの威力で勝負する場面はそれほど多くはないと思われます。(以前は図書館の開館時間に「図書館」ロールをするしかなかったことを、24 時間 365 日「コンピュータ」の技能で試せる、とかその程度?) しかし、ケータイの威力はその比ではありません。なんせ、あれだ。レアリィズテレパシックボンドなりセンディングなりメッセージなりが数ラウンドの所要時間(取り出すのに移動アクション、接続操作は標準アクション、操作から実際につながるまでにたぶん数秒かかる)で回数無制限で使えるようなモンじゃぜい? そりゃシナリオ作る側にとっちゃ大問題じゃよ。
 この激動期の「現代日本モノ」のフィクションにおけるケータイの扱われ方は、そりゃあ面白いモンでした。(たぶん。いやすまん、「着信アリ」とか読んでねぇので云い切れないんだけどさ。だってあれ見るからにつまんなそうなんだもんよ……)
 電波が届かない場所、使えない場所がどの程度あるか、電話かける描写、受ける描写、メールの送受信、着信音(音かメロディか、鳴るか鳴らないか)などなど、どれ見たって「なんだその現実から解離したアリサマはゲラゲラゲラ」ってなモンよ。ケータイで、少なくとも知人に、番号押して電話かけるヤツはいねぇだろ、知人からかかってきた電話が「出るまで誰からの電話かわからない」ということもまずないだろ、ナドナド。
 さすがに 2000 年代に入ってしばらくするとこのあたりも落ち着いてきて、ケータイじたいの機能は恐ろしい勢いで進歩しているからには性能面では古臭めの描写はあるにせよ、上述したような扱われ方のオカシさは見なくなったようには思いますが。ていうか、最近はこの強烈な装備が一般的に誰もが使ってるということを前提にしたつくりのほうが多いくらいでしょう*2。
 まぁ、今後の「現代モノ」はこいつの存在を前提*3 に作られるべきであろうなぁ、と思います。かつてあった風情の多くがこれで奪われたことは否定しようがない事実ですが、こいつによって新たなある種の風情なりが生まれる可能性*4 は充分にあるわけですし。
 TRPG 的にはあれか? バラ行動している PC のひとつの部隊が情報収集を終えて別行動の仲間に電話を入れる→時刻を記録→電話を受ける側の PC 部隊の処理に以降、みたいな使い方がとりあえず妥当ですかねぇ。なんて、最近の「現代モノ」をやってる方々にしてみりゃ「いまさら何を」ってなアレかもですが。
 FATE じゃ、凛の個人的な事情もあるらしいにせよ、ほぼ作中でまともにケータイが使われてたという印象がないと UFO は云ってましたが、さて、どんな具合なのかねぇ。
 TRPG で「現代モノ」をやろうと思ったら、いくら「これ 1980 年代が舞台だから今みたくケータイとか使えないんでシクヨロ」とか云ってもプレイヤーの実感としては相当に戸惑いそうな気がしますけど。それともフィクション界ではむしろそういうのがないものとして行動することが身についちゃってて、逆に使用が許可されても戸惑ったりする(いろいろヤバいメにあって、マスターに「なんでケータイ使わなかったの?」とか云われて初めて(自分の実生活では当たり前に使ってるにもかかわらず)その選択肢を思い出す)ってなこともありそうな気が。
 まぁ奈須の仕事はきちんと意識してなされてるモノだという印象はある(空の境界しか読んでないけどさ)ので、やっぱり何かしら意識してやってるコトなんだろうとは思うんですけど、アニメ化された時点でいろいろとやっぱり甘くなってる部分も多いらしい(これは別の、ゲームのほうも遊んでる友人の感想より)のでなぁ。
 いろいろ妙なトコがあると「意図的なものなんだろうけど……?」とか邪推してしまうわ。
 ついで。TRPG の話題にしちゃいましたが、以下は単に FATE について。今回ひっかかった点は他には以下あたり。
 「寒い」とシロウが口にしてホントに寒くなるシーン。ナチュラルなものなのか、「声に出された言葉には力がある」的なマジカルな描写なのか。
 「コーヒーは嫌いだから紅茶にしてくれたほうがよかった」と「魔術師」に云わせるのは意識してたのかなぁ? ってこれは冗談だけど。てかその「魔術師」は「リン*5」じゃねぇわな。
 で、そのコーヒーにちょっと遠坂が感心するシーン。缶コーヒーなんてけっこうすぐ冷めるので、(恐らくかなりの密度で行動をともにしていた)シロウが熱いコーヒーを手渡せたということは、マジカルに保温*6 してた(ことに対する評価)と考えるべきなのかねぇ? 通常、自販機等で買ったホット缶飲料は中身よりもガワのほうが熱い(よな?)ので、遠坂が口をつけて初めて「熱い」と感じるあたりもマジカルっぽい? いやまぁ単に気遣いに対する感謝であると思っておけばいいんだろうけどさ。「お前、いつから持ってたんだ?」とちょっとひっかかったので。
 評価点は以下あたり。
 魚の干物の描写がああまで妙に気合入ってるアニメは初めて見た。スゲェ。
 昼間かな? 日常のなかに潜む不安ってか不安定感みたいな曲が上出来。
 で、放課後、結界の枝切りを開始するシーンの BGM およびその使われ方が実に川井らしくて納得。んーでもまぁ普通すぎっちゃー普通すぎ? いやまぁ素直にノっておこう。

*1 まぁ、PC 全員を同じ場所に強制的に集めてほぼ連日おおむね一箇所で生活させておく(で一括して事件に巻き込む。導入もそう幅を用意する必要がない)言い訳としては強力だし理想的であろう。戦士、魔道師、僧侶、盗賊などとわかりやすく、せいぜいヒトケタ程度のクラスバリエーションしかないファンタジーゲームと違って近代以降の現実世界(あるいはそれに順ずる世界)を舞台とする場合、PC のバックグラウンドはプレイヤーの知識嗜好経歴その他によってあまりにも幅広くなり得すぎる。それをうまく使えばよりステキなストーリーを展開できるであろうが、「必ずしも毎回同じプレイヤーが集まるとは限らない」「必ずしも毎回同じキャラクターで参加するとは限らない」環境でのプレイだったこともあって、ある程度の範囲にバックグラウンドと生活フィールドを集めてしまいたかったのでこういう形にしたのであった。今どきだと界隈では「ハンドアウト」とかを使うのだろうか。……っと、コレについての話をするとややこしくなりそうなのでココマデ。

*2 最近印象に残ってるのは「アカイイト」 着メロの「Wheel of Fortune」と、だいたいそれが鳴った後とか(つまり通話のシーンなど)で鳴ってた印象のある「高い空を見上げて」が名曲なのじゃよー。ちょっと遡ると、「天使のいない 12 月」の「お天気ありがと」やら「いっぺんに鳴ったらウルサイかも……」が印象的であった。雫や痕には登場してなかったと思うが、東鳩はどうだったっけか。遊んでないけどゲームの傾向からして White Album では使われてたんじゃなかろうか。Kanon、One でもまともに使われてた印象がない、が、MOON.(無邪気な日々の終わり)では登場してたよなぁ? 「あの人も携帯電話の必要な人ね」としのぶさんが云った P2 は 1993 年とかそのぐらいらしい。うへー、そんなに昔なのか。「イリヤの空、UFO の夏」は、ケータイの使用に世界設定上の特殊事情から制限がかかってる世界だったかな?

*3 プレイヤーは「自分のキャラはケータイ持ってない」ことを特殊な個性として主張するかもしれないが、「持っている」ことをわざわざ主張したりはしなかったり、場合によってはもはやキャラシーに書き込む必要もないぐらいの当然の装備と看做すかもしれない。

*4 さらに進歩というか突っ走ると攻殻機動隊 SAC あたりの電脳通信とかのイメージになるか。あそこまでいくとあれはあれで新たな風情のあり方と云ってよろしいだろう。原作版はさらに電脳空間の描写が強烈で、たとえば TRPG であそこまでやろうとするとホントに大変だろうと思うけど、SAC 程度ならイケるんではないか。ふむ、他人が電脳に侵入するのを防ぐのはセーヴィングスローなのかなぁ? SAC については 2 の後半でなされる「そうして便利に通信が可能である状態が定常になった後でいきなりスタンドアローンの状態に投げ込まれる」描写も、この観点(現代日本を舞台とした TRPG をやるという観点)からして興味深いものである。中間的と思えるのは「傀儡后」の「ケーター」あたりか。

*5 ユースフ「今日、おれの軍人生活で最低最悪の命令を受けた。どんな命令か聞きたいか?」
リン「ぜひ、そう願いたいね」
ユースフ「あんたと組めとさ。あんたが司令官、おれが参謀長。どうだ、ひどい話だろうが」
リン「ほう……そりゃ、おれでもごめんこうむりたい命令だな。おれと組めっていうのは……」

*6 ある現代日本「クトゥルフの呼び声」のプレイヤーが、自分のキャラクターの「マジックアイテム」の欄に「お湯を入れても冷めない水筒」とか書いていたことがある。たしかに、文字通り「魔法」だよなぁ、それは。
2006/02/22 (Wed)
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