深度 、急速潜行~
[須賀鎮航海日誌]161210 ~Into The Sea of IBS~
▼イベントも終わったことだし!
 ということで、艦これ劇場版、観てきました。いや、正直圏外と思ってたんだけど、妙に評判いいからさ。
 で、実感としては、まぁ、納得、といったところで。
 絵的には、娘形態の艦娘(つまり、メンタルモデル方式ではない描写の艦娘)の戦闘描写としては、絶賛レベルに仕上がってたと思います。こなれてきたってのは大きいでしょうし、もちろん劇場版相場のコストがかかってるってのも効いてるでしょう。とくに最初の夜戦は超カッケェ。つうか艦載機搭乗員以外の妖精さんもちまちまがっつり仕事してて熱い。後半は妖精さんは画面上では影が薄くなりますが、艦隊のレイヤーでの描写がやっぱり熱い。夜戦が多いですが、アニメという表現手段の強みというべきか、画面が暗くなることでしっかり見栄えが締まるのに、実写ベースの表現だとどうしても副作用(あるいは特撮系とかだと造る側の本心としては主作用?)として生じる視認性の悪さが生じず、画面の隅々までしっかり見える、てのが素晴らしいです。で、昼夜を問わず、沖合いの海面、海上描写は上々。つうかカッケェ。ただ、砂浜の波描写は、うーん、という感じで。まぁこの妖精さんフル稼働とか同画面内でこれだけの数が動いてそれぞれ見せ場貰って艦隊戦とかは劇場版専用としても、艦娘形態での戦闘動作描写とか沖合いの海面描写の勘所とかは確立された感じなので、この調子でいけばまた TV シリーズ作っても観れるものにはなるんじゃないかなぁ、と、そういう感触で。
 話の筋としては、よく云われてると思いますが、「これ TV シリーズでやっとけよ!」とまず云わずにおれない感じのアレでした。悪いとは云わないというか、必要な話だと思うけど、そういうのは放映版で手順踏んでおいて、劇場版ではそこからさらに踏み込んだものが観たかったよね、ということで。
 ……概ね「ネタバレ全開」とはならなそうな感想としてはこんなところでしょうか。
 あ、あともうひとつ。「雪風出番なかった!」と! ある意味ではとても重大なネタバレですが! ぐぬぅ……。
 で、ここからネタバレ水面下。
 えーと、全体に占める比率としての戦闘、非戦闘配分として悪くはないです。ないですが! あのラストあたりはどうなのか。いや必要なことはわかるし描写として正しいこともわかる! が! うーん……テンションゲージの配分として、なぁ……。やり方としてエヴァ旧劇場版からパラダイムシフトがない(進歩がないってことはないんだろうけど。素人的にはよくわからん)というか。絡め取り、縛り、引きずり込み、繋ぎ止めるものを、引きちぎる、という話になるのは順当なんだけど、その描写の仕方としていつまでもその古典をいまさら艦これなんて極端な場所に立ってる題材で、しかも劇場版という特別な舞台で採用してもなぁ、しかもクライマックスになぁ、ということはどうしても思ってしまったところでした。同じことやるにしても描き方があんだろ、的な。つまり TV シリーズ終盤でやってる分にはとくに不満なかったかなぁ(けど劇場版という特別な舞台ではもうちょっと、こう……)と思う的な。
 いっそ駆逐影姫との(設定上は精神世界的な例のあの場所なんだけど、描写上はただの海面上な舞台で)一騎打ち、とかだったらなぁ。いや、どういう理屈でそういうクライマックスに持ってくのかとかは知らんけどさ。
 お互い無傷からの壮絶なターン数無制限一本勝負、互いに傷つき、塗装も剥げ、砲身も曲がり、魚雷も撃ち尽くし、燃料も払底し、あちこちから煙を上げながらの超接近戦、僅差で敵勝利(吹雪戦意喪失)か、と思われたところに、序盤で如月の助けも得て新搭載されてた次発装填器が作動、どこどなく睦月、夕立、如月たちを連想させる姿の満身創痍の妖精さんたちが、最後の魚雷の 1 本を装填――それに気づいた吹雪が気合復活し、こちらもぎりぎり浮いているだけの様相だった駆逐影姫に叩き込んで勝利! とか、そういうのになんとか理屈捏ねて持ってってくれてればなー! と! で、そこに挿入歌で大越香里の新曲とか入ったりした日にはリピート確定だったかなー、と。そういう感じで。いやアニメ版の劇伴に不満があるわけではないのだが! ゲームから入ってるので、同じテクスチャ使ってるアニメにはそっちのテイスト「も」どうしたって求めちゃうよ、というところはあるのでした……。
 比較して是非と云う意図ではないんですが、思い出すのはやっぱ Girls und Panzer でな。あれが最後をなんとかして壮絶な超一流同士の戦車戦に持ち込むために設定組み上げて、長尺の戦闘を存分に描いて、その決戦では主役機は増加装甲も塗装もボロボロに被弾して、勝利! という映画で、そういう映画として最高だったので、海軍ものでも「そういう映画」が観たかったかな、と、どうしても思ってしまってな。
 じゃあ今回のが「観たくない話だった」のかというとそうではなくて。でも TV シリーズでこれ観て、劇場で祭を観て、のほうが順番としてはオレとしては好きだったかなぁ、というか、だな。つうか逆なんですな、艦これのアニメは。劇場版でシリアス寄りの本筋ストーリーをやって、TV 放映版は毎回別物の「祭」をやった、という、そういう全体構成だったわけか。うーん。
 以下は細かい感想。
・冒頭ドロップは絵的にもかなりまんま「駆逐艦の運命」で鼻水出ました。
・ドロップについての重要な説明をするのが、自身は「絶対ドロップしない艦」代表である大和にやらせるのがイカす。
・で、それについて「どうせそういうことならば」と、カタパルトの関係で「そのループが成立しない艦」代表である瑞鶴に云わせるのがイカす。
・夜戦の探照灯はやりすぎなくらいやっててカッケェのだけど、暁がとくにしびれる。意識してレディをやってるところはことどごく「なんちゃってレディ」なのに、こういうときは意識してるそぶりもなく自然にレディ。ってのは若干六駆二次創作に引っ張られた感覚か?
・モールスは実際には何て云ってるんだろう? あれが大淀が読み上げてる通りの内容かどうか検証した人はいるんじゃろうか。
・この世界に人類が存在する気配がまったくない。TV シリーズではそれなりにいそうな感じはあった(提督はこの世界だと人類とも艦娘ともまた違う存在な感じ)んだけど、劇場版ではほぼ皆無。主に「守る」と云うのは吹雪だが、吹雪が云う「守る」対象に、人類(というか非戦闘員とかそういう艦娘(と提督)以外の全般?)がまったく含まれてる感じがしない。前世の記憶においてすら希薄に思われる(が、前世の記憶についてはオレの感受性のズレかも)
・ダイソン級に大和の砲撃! やったことねぇ! すげぇ!
・元祖ソロモンの悪夢は実際ソロモンの悪夢でした。
・艦載機の模様等もたぶんユニークのが相当出てたんだろうと思うけど、見分ける眼力はなし。
・ちゃんと魚雷の残弾も数えてるのは上々。でも、数える描写をやった上で次発装填済です、はやっぱりセットでやって欲しかったとこではありました。(放映版で「いったん弾切れ」の手順をちゃんと踏まずにこの台詞だったのをまだ根に持ってる)
 ……とりあえずこんな感じ?
 劇場リピートはしない感じだけど、円盤等ご家庭で観れるならまた観たいというか、いろいろ細かいところを見て見直して確認したい、というようなあれで。
2016/12/10 (Sat)
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