深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]150622 ~玉村警部補の災難~
▼海堂尊「玉村警部補の災難」読了。
 ……いや、短編集なんですが、最初の 1 篇を読み終わった時点での「あれ、やっちまった?」感がな……スゴかったぜ……。どう見てもこれ既読だよオレ! と! 君は! あわてて巻末に初出を探しに行って、初出は見つからなかったものの解説の中に「イノセントゲリラ文庫版で既出」との記述を発見してほっと胸を撫で下ろした次第です。フー。
 てことで最初のは今さらだったんですが、その他の話はどれもなかなかの満足感でありました。
 青空迷宮はまぁ、ミステリとか読む人なら一発で(話の構造から)犯人がわかるところだと思いますが、謎解きのあまりのアレさに唖然、感嘆、という感じに。
 四兆……なんだっけ? については何か書くとそれだけでネタバレになりそうなんで黙りますが、今回の 3 篇の中ではオレ的にはこれが一番好きです。
 エナメルの証言、は、これ続くシリーズで活躍予定の新キャラ紹介ってこと!? とかそんな感触もありながら(てか組織のほうは明らかに出る予定だよねこれ)スッキリ面白い感触。
 ……なんですが、今回の熱量の本題はもうちょっとべつの場所にあったのでした。
 参った。この人にこんな熱量が書けるとは思わなかった。
 というか、実際、描写のあちこちに「そのセンスはねぇだろ」と思うことしきりでもあったのではありますが、この場面の熱量は文句なしです。
 勇者と魔道師が握手を交わすあの場面は。
 感服。
 今後このフィールドのセンスも磨かれてゆかれるとさらに楽しみが増えるかも、とか思ったり思わなかったりもした次第です。
 以下ネタバレにつき水面下。
 ここからネタバレ水面下。
 件のフィールドについてですが。
 ラストあたりで語られる「他鯖の勇者」の物語、な。
 このへん、実際ある程度ネトゲとかに関わってる身からすると、この当該英雄様の活躍っぷりは、語られてる範囲のことだけではなしえないよねぇ、となるよねぇ?
 すでにある程度ハマってる側がぶつかってる壁を軽々と乗り越えておいて、その次の壁については「経験値というヤツをべらぼうに上げないと攻略できなそうだった」というのは、ネトゲのバランシングとしては(順番的に)ありえません。先にそれ(べらぼうな経験値)を要求しないと稼げないから。当該英雄は、おそらくレベル不足をある程度無効化できるぐらいのピンポイントな攻略手順を探し出し、それによって突破した、という描写と考えられますが、それにしたところで、「ある程度」の話になるわけで、その時点で、その次を狙うのに「べらぼう」な経験値が必要なほどのレベル不足があったのだとすると、当該英雄はレベルに直接連動する以外の、レベルに直接連動する部分を補って余りあるほどのパワー要素(バカ性能装備とか)をものすごくそろえてあって、その上に攻略手順の発見を積み上げた、ということでしか有り得ないと考えられるわけです。
 ということは。
 当該英雄は以下の要素の、少なくともどちらかには、該当していたという結論にならざるを得ないと思われます。
 1) 超級レア運。
 2) 超級課金兵。
 ……ま、両方のような気がするな……。
 ラストの「この(中略)立場から永遠に逃げ出すことは出来ないのだろう」の納得部分、前者については、そりゃあ、それまでのエピソードの数々からして、当該英雄は持ってるだろうと納得できる部分だろうし、後者についてはそれこそ、階級差のぶん給料も違うだろうしね!
2015/06/22 (Mon)
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