深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]120715 ~映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」~
▼そして、何故か機会を得たので「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」を視聴したり。
 ……いやぁ、タイミング悪かったかなぁ、と苦笑。背景で共通点があるものとして「永遠の0」を読んだ直後、共通点があるかもしれないような娯楽動画として「ストライクウィッチーズ劇場版」を観た直後とかないわー。ちょっと格が違いすぎてツラいものがありました……。いや、この映画、劇場スクリーンでもレンタル等の円盤でも、自宅 PC での動画配信とかでもない環境で、英語字幕つきで観たので、なにやら原典と違う編集などが入ってたりした可能性もあるんで、あんまし云い切れないところもあるんですがにゃー。てゆか、どちらの軸で観るにしても、あまりにも不親切、というより、正直作りが粗いとしか感じられない疑問点が多くてさぁ。最低限、ざっくりとした戦史は知らなきゃこれそもそも話がさっぱりわかんなくねぇ? 結局(この作品世界では)パールハーバーでの特殊潜航艇の投入は行われなかったという解釈でいいのこれ? とかな。場面から場面へのつながりも強烈に脳内補完を要求されるものだし、たとえば雷装→爆装→雷装とそれに続く展開なども、ある程度(てのはオレ程度のド半端さ加減で)戦史を知ってる身には過剰か不足のどちらかにしか見えず、実に消化不良。ほかの戦闘描写も多かれ少なかれそうだし、非戦闘描写は「特殊潜航艇どうなったのー」と同様に何もかもが放り出され、または唐突に出てくる感じ。ご家庭と汁粉屋ぐらいか、ちゃんと拾おうとしてると思えたの。これらですら多少放り出し気味なのですが。
 とはいえ、いずれも、観たのがもとのとは異なる編集版であったが故という可能性もありますが。てか、そうとでも思わないととても信じられないようなアリサマであるというか……。
 主題と思われる思想面政治面人柄面については、これはメディアの得手不得手の差もあるのでアレですが、やっぱ小説には及ばないし、絵的にはアニメには及ばないし、という感じで。役所広司萌え映画としてはまぁ、なんとか及第点ってところ? てか、今回ふと湧いた妙な感想は、役所広司は次世代の中村主水をやれる候補だったりしねぇ? とかそういうことだったり……どうでもいいな……。
 まぁでも、ちゃんと、マスコミの邪悪さ、は云いすぎにしても、少なくともひどく醜悪ではあるネガティブテイストを描こうとしてるあたりは評価してもいい、のかなぁ……? とかそんなあたりでひとつ。
 てかさぁ、実際んとこ、この作品、意図はどっち向いてたんじゃろうか……。この映画だけの印象だと、山本五十六、悪人ではないし能力もあるにせよ、全体で見ると、どっちかっつーとダメなヤツ、としか感じられないんじゃが……。悪い予見がきっちり当たる眼力を持ちながら、自分が状況を変えうる(分がよいとはいえないにせよ)立場にいるにもかかわらず手を打たず、予見が当たるのを「そら見たことか」……とまでは云わないにせよ、ただ座して確認してる的というかな……。気持ちはわかるが、そこまで高い立場にいる人としてはやはりダメと申し上げざるを得ないのじゃまいか。
 あ、結局階級呼称がほぼ発声されない(ゼロのように思いますが、これは聞き落とした部分があるかも)のは面白かったです。で、「山本さん」とさんざん発声され、毎度「Yamamoto san」と字幕が出るので、いちいち「ドーモ。ヤマモト=サン」とか連想してしまって困ったよ! ああ、もちろん「サカモトさん!」も連想したけどね!
 で、以下は純然たる趣味の話なのでアレなのですが、劇伴の使い方がなぁ……なってなくねぇ……? まぁ、傾向としては明確にアニメと洋画ばっか観てるので、実写邦画の文化がいまいちわかってねぇってことかもとも思いますが。ラストあたりとかさぁ、最近のアニメだったら一式陸攻が飛び立つところから(あるいは前夜から)流れはじめて被弾した瞬間に唐突な感じで切れるまでそう大幅に曲調の変わらない一曲で通し、以降無劇伴(または長めの無劇伴時間の後に静かに抑制気味の弦の旋律あたりで)てなつくりになりそうな、そんな単なる劇伴好き視聴者の感覚なわけなんですが、この映画はまるで逆でねー。ずっと無劇伴で、ああ、なるほど、これはこれでアリかも、と思ってたら、被弾したところから劇伴入りかよ。そしてその劇伴がまたわかりやすい感情喚起系のピアノ曲でさぁ……。うはぁ、古風、と苦笑してたらその曲もなんかぶちりという感じで切れる……って何だこれ。さすがにこのぶちりはオレが見た版の編集の問題だったりするんじゃないかと思うんですが、このぶちり感が正しいものなんだったら、さすがにありえなすぎだと思うんだけどなぁ……。
 てゆか、こういう重大な盛り上がりに際して、場面転換その他の切り替わり時にも曲は切り替えず、曲調の変化も伴わせず、抑え込み気味の長尺の曲を流し続けてく感じのつくりはアニメ(日本アニメ)ではとくに特徴的によく用いられるものなのであるなぁとかそんなことを思ったり。ええ、それ系が大好きなもんでね。場面ごとに曲の出入りが激しいと「うっわ、古臭ぇ」とか思ってしまうのですよ。最新の時代に即した見方かどうかと問われると実に自信ないってか全然自信ないんですが!
2012/07/15 (Sun)
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