深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]120217 ~深泥丘奇談~
▼綾辻行人「深泥丘奇談」読了。
 なるほどなぁ……。確かに、これは、「連れてく」パワーがあるな、と思ったり。まぁ、ちょっと「ああ」が多すぎだとも思いますが。
 以下、ネタバレというか、ちょっと内容に踏み込むので水面下に。
 今回は、初めて綾辻作品の解説に、少なからず共感したり。てかねー、「綾辻行人『深泥丘奇談』は、ユートピアを描いた小説である」の最初の一文に「おお」と膝を打ったのでした。うまく言葉にならなかった読後感を見事に言い表されたぜ、という感じで。だよねー。
 そして、薄々と「もしや」とは思っていた、「モチーフは京都」的なあとがきでの表明にも、「おお」と。いや、全然京都っぽさを感じないというか、全部標準語だからとかそういうわかりやすいテクスチャの部分を省いても、京都感はないなぁ、と。てことは、関東育ちで、京都に暮らしたこともないオレの持ってる「京都感」ってのは要するに「京都のことを驚くほど知らない京都人」である作者の「京都感」と、猛烈に異なっているのか……とかそんなような奇妙な感慨もあったり。ってまぁ、そりゃ、外の人間がフィクションの舞台として(あるいは観光の目的地としての)思いを馳せる京都なんてものは、実在のそれとはかけ離れているであろうとは思いますが、こうまで「印象の重なる部分が皆無に近い」ものとして描かれると、むーん……と。まぁねー、東京の人間がフィクションの舞台として描いた東京だって、まぁ、そりゃ、フィクションだよねー、というふうにも云えば云えるんだけどさー。というか、京都にしちゃあちょっと自然多すぎじゃね? というスゲェ単純な感想もあったりするんですが。でもこのへんは、都市部の周りには都市部が広がっている、という特異な環境に馴染んでる東京人ゆえの勘違いである可能性もあるのかなぁ……などとも思ったりする次第。
 で、京都テクスチャ云々については本編が終わり切ってあとがきを読んだ段階で湧いてきたアレでして、本編については、まさに「ユートピア」の名に相応しい素敵な感触のブツでありました。ええ、「オレが」素敵な感触と云うのがどういうものなのかについては放っておいていただければ幸いです。ほら、えんえんと雨が降る話とかあるしねー、とかそういうアレですし。てゆかさっさとサムザムシ寄越せ。それはかなーり理想的なブツじゃないか! さっさと培養技術を確立してザムザザー製薬を設立して大儲けするんじゃよー!
2012/02/17 (Fri)
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