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   深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]100917 ~人造救世主~
▼小林泰三「人造救世主」読了。
 ……いやぁ、なんですかね、この、「ありとあらゆる設定が、どっかで既視感がある」という感覚は……。
 ま、意図的にやってるんでなければこうはならんと思うので、どっかで見たことのある素材ばっかりを使って、見たことのないものを作ろう、ってことなんでしょう。現時点でそこまでのインパクトがあるかと云われるとなんとも云い難いところではありますが、どこかで見たことがあるようなモノではない(強いて云えば、それこそ小林泰三作品には似たものがあったかも……? ってな感じでしょうか)とは感じられますので、今後に期待(続くらしいし、明らかに続くとしか思えん終わり方です)の方向性で。
 で、それはいいんですが、それとは別にひっかかった点が。
 なんか、どいつもこいつも物凄く何もかもを台詞で説明しすぎだと思うんですがどうか。
 最初の傍流寺(ってすごい名前だな)の場面とかとくに、なんでそんなに何でもかんでも台詞で説明しなきゃならんのか、違和感ものすげぇんですが。冒頭の場面など、ひたすら対話で進む場面においてはそれでいいし、そういう手法は小林泰三は名手なので実にイイ感じなんですが、一秒を争うアクションの場面でひたすら喋って喋って喋る、しかも喋ることで注意を逸らそうとか時間を稼ごうとかそういう描写ではなく、ただ自分がやったこと、やることの説明のために喋る喋る、ってのは……非常に奇妙な印象がないでもなかったり。その奇妙さを狙ってるのかなぁ? それとも偉人クローンはみんなそうなっちゃう的な何かが?
 もう一点、ネタバレ含みの感想を水面下に。
 ひとみは血液型性格診断を真に受けてるような人種ということで、クローンがオリジナルに無条件で一致するという思考を持ってしまうって点はまぁ、よしとしましょう。で、ジーンは欧米人で、そのオリジナルに強い忌避感情を持ってるってのも、よしとしましょう。でもさぁ、ひとみは日本人なわけで、そのオリジナルに対して「無条件で拒絶し否定する以外の感情を持ち得ない」なんて、欧米人的な偏狭さに囚われるバックグラウンドを持つ必要はない、と思うんだが……。いやまぁ、さすがにオリジナル当人がやってきたら、それでもアリかもですが、うーん……?
 ま、このふたりは意図的に感情移入しにくいキャラクターにしといたってことなのかなぁ?
2010/09/17 (Fri)
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