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   深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]100610 ~ミニスカ宇宙海賊 4 漆黒の難破船~
▼笹本祐一「漆黒の難破船」読了。
 いやぁ、信じがたい(や、云うまでもないことですが嬉しいんですぜ?)刊行ペースでの第 4 巻ですな。しかも何やら今回は前後編とのこと。ほほう、ってことは後編もすでに準備済み……? と思ったらさすがにそれはなく、十一月刊行予定とのこと。ま、ちゃんと今巻は今巻で一応の完結はしていて、性質の悪い引きで引っ張られるという事態にはなってませんでした。よかったよかった。
 このシリーズは、なんかオレにとっては「茉莉香萌え」がひとつの軸になってきてる感じです。まぁ最初っからそういう傾向ではあったんだけどねー。つーても、じゃあオレが素直に萌え転がってるかというとそういうわけではやっぱり全然なくて、(そういう方向で熱量高いのはアイとかですな)こういう方向性でキャラクターを魅力的に描き得る、というのを、初期からずっと、新鮮だなぁとしみじみ感じているわけです。たぶん他にもそういうふうに魅力を描かれたキャラクターは存在しているはず(作者、メディアを問わず)なんですが、初めて琴線に触れたというか。
 周囲を固めるスペシャリストがどれも魅力的だから際立っている、というのは明らかな要素でしょう。魅力的でスペシャリストだけれど、主役ではない、ということが納得できるから主役が際立っているのか、主役の魅力が際立っているから周囲が「主役を食わない」ことが可能になっているのかは、どっちが鶏でどっちが卵かはオレには不分明ですが。
 しかしグリューエルはカッケェなぁ。「ほんっとーに本名出すのに抵抗ない子ね」にはまったくだよなぁとフくしかなかったところですが、まぁ、このハッタリと真意看破での立ち回りっぷりは毎度最高です。現代ものの TRPG なんかではホントこうありたいものですな。今回グリューエルとともに茉莉香を支援するリン部長はこちらはファンタジー TRPG のキャスターなんかではこうありたいものだという感じの格好よさ。
 ……ってことは、そうした人々を、そうした人々にスペシャリストとしての能力では及ばずともリーダーとして率いて誰も違和感を感じないパーティーリーダーたるロールプレイ、とくに立場(を明かしていることも含めて)で立ち回りが制限されるパラディン的なロールプレイのロールモデルとして茉莉香ってことになるんかなぁ? とかそういうことは以前からずっと思っておりますが、ま、容易ではないっちゃ容易ではないですね。グリューエル的なキャラクター、あるいはリン的なキャラクターをロールプレイするさいには、考える時間を貰って(ゲーム内の時間を止めて)実践しても演じられた成果物としてのキャラクターの魅力を減じることはないですが、茉莉香的な魅力を押し出すためには、それとは違う判断基準が働いてしまいそうな感じなわけでして……。
 ……なんか後半は TRPG な話になっちまいましたが、ネタバレを含むちょっとだけを水面下に。
 ここからネタバレ水面下。
 んでまぁ、のっけから内輪ネタな話になっちまってアレですが、これ実際に読んだのは、こないだまでやってたリレー小説の最終回を書き上げた直後ぐらいでした。で、今巻のクライマックスを見てしみじみ思ったのは、「やっぱ戦闘等の場面における描写の速度感、臨場感、リズムといったものを表現しようとするに際して、オレは明確に笹本の影響を受けとるなぁ」ということでございました。まぁ、あくまで自分で思ったというだけでもあり、「やっぱ本物はスゲェわ」ということでもあり、及んだとは全然思ってないので、ま、そう感じるところまではカンベンね、という感じで。
 今巻の盛り上がりのリズムとかたまらんよ。
『問答無用でぶっ放すのもありだな?』
 ひと息吐いてから、茉莉香は答えた。
「あり。船長のあたしが責任取ればいいんでしょ」

 あたりは(水面上に書いた)リーダーたる茉莉香の格好よさが炸裂しているあたりだと思います。ここ、「ひと息吐いてから」の間合いがキモ中のキモであり、そのリズムはやっぱりリアルタイムで進行してるゲームプレイの中ではなかなか生み出せないところでありましょう。(ってなんかすげぇ勝手なことを書いてますな、われながら)
 んでまぁ、たたみかける進行速度の快さが光るのは、
「あなたがルナライオンにはビームが命中しないと主張なさるのなら、こちらも良心の呵責なしに集中砲火を浴びせることができます」
「修正第二射!」

 の場面でありましょう。1 行目と 2 行目は云ってる相手が違うんですが、こっちは 1 行(=ひと息)入れないところがキモ。こっちの間合いはリアルタイムで進行してるゲームプレイの中なんかでも実現できそうなむしろノリであり、意識してみたいものであるなぁ、とかそんな感じで。
 ……ま、同時に思うのは、これらのようなレイヤーのロールプレイには、明らかに 4 版は向いてないなぁ、ということではあります。クラシックなら、3.5 版なら、あるいは最近遊んだその他のファンタジーとしてはソードワールド 2.0 なら(むろん旧版のソードワールドでも)可能だったと思うのですが、4 版のリズムはそもそも何かが決定的に違う気が……。そういや、リプレイとか読んでても、参加者がかなり重なってるはずの 3.5 版と 4 版の間でなんとなくそうした違いが感じられたような……。それはさすがに気のせいかなぁ?
 ……とまたしても TRPG の話題になりつつトンボの尻を切り落としておきます。
2010/06/10 (Thu)
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