深度 、急速潜行~
[Life as a Half Drow]ルトータンゴラド
▼Introduction
 前回は近海における海賊船との戦闘を取り扱ったが、今回はサード(3.5 版)における最初の本格的海洋冒険を試行したので報告する。

▼Materials and Methods
 Player Characters
 プレイヤーは前回と同様であった。パーティーの実質的なリーダーはサレヴォグ・ストームライジング。前回死亡したこともあり、「3.5 版最初のプレイだしまぁいいか」ということで大幅なキャラクターの再構成を許可した。これによりフレンジードバーサーカー 1 レベルを得、前回全財産と引き換えに許可された CON 上昇の本を諦めて前半キャンペーンで猛威をふるった(そしてウーズを殴って一発でオシャカになった)「デスブリンガー」を再び手にすることとなった。デスブリンガーはグレートアックス +1、ヴィシャス、フレイミングバーストである。もう一名の前回の死亡者であるウィザードのスティーブン Jr は、これも再構成によりスティーブン・ザ・サードとなった。フィートを全般に取り直した他、メタマジックロッド「マキシマイズ」を「ダイス振る楽しみがなくてつまんねぇ!」ということでキャンセルして別の装備をそろえた模様。なお、このあたりの死者の扱いであるが、経験値的には「前回の冒険に参加しなかった」場合と同等とし、復活のマテリアルコンポーネント代は前回の収入から供出させるという形で再構成を許可した。版が変わって日が浅いゆえの特別措置である。
 その他の PC は前回と同様。ファラングンのクレリックであるモルダー、ファイター/クレリック/テンプラー/プレイナーチャンピオン(志望)のルーウィン、広範なマルチから Dervish となったシール。
 海上冒険
 ランダム天候決定とランダムエンカウンターを組み合わせて 30 日の航海を行った。ランダム天候決定表としては「武器装備ガイド」掲載のものを使用し、天候と風向きの変化は便宜上、一日単位で起こるものとした。ランダムエンカウンター表は自作した。うち半分は鮫などの完全な水中生息クリチャーとし、荒天で船が転覆していたりしない限りは無害な遭遇とした。残り半分には約 10 種類の、主に過去には海上での遭遇という特殊な状況に限定されているたがめに出せなかったモンスターを中心とした遭遇を用意した。実際に出現したのは、ドラゴンタートル、クオトアのハンティンググループ、トリトンの交易部隊、海賊船であった。出現しなかったものについては次回以降に登場する可能性があるためここでは伏せる。
 財宝の島
 前回の海賊が残した地図に記された島。島の周辺は岩礁地帯であり大型船での通行は不可能とし、ここにシーライオンを配置した。島の洞窟には複数の水没箇所を用意し、ここにスカムとアボレスの集落を配置した。さらに最終戦闘としてカイソンのスレイマスターを長とする一隊を配置した。

▼Results
 出発準備
 前回拿捕した二隻の海賊船(帆船と軍船。いずれも「武器装備ガイド」収載のもの)のどちらかを報酬として得、海の冒険に乗り出すという設定。旅先で売り払う(帰りはテレポ)ことを考慮に入れた PC たちは軍船を選択した。これに、いくつかの細かい改造(キャスター隊の研究室など)を加え、160 人の漕ぎ手を調達して出発することとなった。前回手に入れた海賊の装備品は一部を売却し、一部はそのまま保持して出発することとなった。
 
 出発の日はさすがに穏やかな日を選ぶだろう、ということで初日は天候ロールはナシ。翌日からランダム天候決定表を振ってもらったのだが、早々にルーウィンのプレイヤーが天候決定ダイスで「00」を出し、台風に突入。船体に少なからぬダメージを受けることとなった。
 ドラゴンタートル 1
 さらにその数日後、ルーウィンに振らせたランダムエンカウンターのロールが「ドラゴンタートルと数匹の大型シャーク」の出現を告げる。計算したところ、ドラゴンタートルは Take 10 で 440' の距離から PC の軍船を発見できるらしいという計算になったので、その距離でパーティーの見張りに視認を振らせる。さすがに失敗。ということで、ここからドラゴンタートルは潜行し、PC の船に下から体当たりを仕掛けて転覆させようとする。ここでの転覆確立は 20%。このロールをルーウィンのプレイヤーに振らせたところ、見事に「転覆成功」の目が出、転覆した船から放り出されながらの対ドラゴンタートル戦が開始された。PC 側は複数人が前回の戦利品の「クローク・オブ・マンタレイ」を装備していたため、この状況にもかかわらず溺死の恐怖は薄かったようである。この戦闘でドラゴンタートルはサレヴォグに噛みついた状態でブレスを吐き、これに ST を許さず大ダメージを与え、さらにモルダーも残り HP ヒトケタに追い込むなどの成果を上げはしたものの、フライで空中に逃れたウィザードのコーン・オブ・コールドなどにより倒された。
 ドラゴンタートル 2
 その後もルーウィンのプレイヤーはドラゴンタートル+鮫を出現させるダイス目を出したが、「いやまぁ、さすがにそんなにたくさんはいないだろう」ということでこれは見なかったことに。しかし、実はもうひとつ、ドラゴンタートルが単独で出現する目が用意してあり、これも見事に引き当てられ、「別の目で出たんなら」ということでドラゴンタートル二匹目との対決が開始されることとなった。今回は転覆判定には失敗するものの、浮上してくるのを不注意にも密集して待ち受けていた PC 隊に対してブレスをお見舞いすることに成功、ST 失敗者が多かったこともあってにわかに大ピンチに至らしめることに成功する。しかし、船べりに立った前衛との間にフランキングを成立させつつディヴァインパワー発動状態で Dervish Dance をおこなったシールにより一瞬で HP の大半を奪われ、二発目のブレスを吐くこともできずに沈められることとなった。
 クオトア
 8 Lv ファイターに率いられたクオトアのハンティンググループによる襲撃が行われたが、ほとんど問題にもならずに撃退された。
 海賊船
 海賊船のカタパルトの連射により PC たちの船は少なからぬダメージを受けたが、これに対してスティーブンは「サレヴォグをポリモーフアザーで金色のドラゴンタートルに変身させてフライをかける」という手段を取った。サレヴォグは「ガメラみたく手足頭を引っ込めて高速回転しつつ海賊船に突撃する」と宣言。あまりに有り得ない景色に海賊は戦意を喪失し、無血でこれを撃退することに成功した。
 メサドン諸島
 航海の中継地点として用意した島。Gp Limit 800 GP の島なので、たいした補給も行えないが、ここを財宝の島攻略の拠点として利用してもらうべく準備した。ここで船の修理をしている間にスティーブンが長時間持続型フライ(3.5 版の新呪文)で島の偵察に出撃し、岩礁があって大型船が入れないこと、岩の島に洞窟があって、最初の部屋に半魚人めいた生物がいることなどを報告する。スティーブンは岩礁のシーライオンをファイアボールで単身一掃して島に戻る。
 島の洞窟
 まず侵入前にスティーブンがアーケインアイを使用し、洞窟に半魚人めいた生物がうようよおり、複数個所に水没部があること、奥の部屋に「カニだかエビだかのような爬虫類」がいることを報告する。いずれも知識ロールに成功し、前者がスカムであり、後者がカイソンであることが報告される。一行は脅威度 2 に過ぎないスカムを一方的に虐殺しつつ意気揚々と進むが、途中の水没部でイリューソリィ・ウォールを用いて隠れていた三匹のアボレスの待ち伏せに合って緊張が高まる。しかし、まさかこれを読んでいたわけでもないだろうが、モルダーが展開していたマジックサークル・アゲインスト・イーヴルによりドミネイトが完全に阻止され、頼みの形質変化打撃もルーウィンには容易に当たらず、当たってもことごとくセーブに成功されて、結果的には一方的に一掃されることになった。パーティーはリソースをかなり消耗していたため、ここでいったん撤退し、カイソンに毒があることを知識ロールにより知ったモルダーは出発前にヒーローズ・フィーストをキャスト、さらに、カイソン部屋に突入する前の水没部をコントロールウォーターで干上がらせる直前に各種支援呪文をキャストしておくという万全の準備で戦闘に突入する。カイソン隊は脅威度に似合わぬ高 AC 高 HP と各種エナジータイプ耐性でがんばるものの、有効打を与えることができず、戦闘は長期戦の様相を呈しはじめる。モルダーのウォール・オブ・ストーンで移動を制限されたカイソンは装甲の薄い後衛に到達することができずに前衛との殴り合いを余儀なくされるが、ルーウィンは攻防一体まで駆使して AC 37 を実現し、スレイマスターの攻撃をすら防ぎきって見せた。数発の命中もヒーローズ・フィーストで毒が完全に無効化されている状態では有効打にならず、結局、削り切られて壊滅。海賊の残した宝(という名目だが、アボレス隊とカイソン隊の脅威度を基準にランダムダイスで決定したが)を回収することに成功した。

▼Discussion
 「そもそもなんで航海に出るんねん?」という疑問に答えるのはとても難しい。というか、強くなっても何かの強制的な要素がないとなかなかホームタウンを離れる動機がプレイヤー側から出てくることはない、というのは、昔からキャンペーンを遊ぶさいに感じている点であり、何かいいアイディアはないかと悩み続けているのだが。今回は、「今のホームタウンの GP Limit(15,000 Gp)じゃ買えないモノがそろそろ欲しくなるっしょ? 海の向こうにでっけぇ町があるよ? 買い物に行かない?」ということに一応しておいたのだが……。
 ランダムダイスで構成されるワイルダネスアドベンチャーは、マスターが意識的に構成したのでは考えつかないような事態が発生して楽しい反面、ランダムダイスを振るプレイヤー以外がヒマになりがちだったり、30 日も続くとやっぱり飽きる、など問題は多い。
 海上のエンカウントについてはもうひとつ問題があって、PC が尻込みせずに海上に乗り出せる(いきなり海中に放り出されても当面生存できる能力を普通に準備できる)レベルになると、通常の遭遇ではもう勝負にならない。現在のパーティーレベル 10 に対して遭遇する最強の敵の脅威度がドラゴンタートルの 9 というのは苦しい。クオトアのハンティンググループは箸にも棒にもかからない状態だった。ドラゴンタートルは脅威度 9 に似合わぬ強烈なブレスを持ちながらも打たれ弱さはやっぱり 9 止まりかぁ、という印象。水中などの特殊環境で生存する手段がサードに比べて弱かったことも含めて暴力的な強さの印象があったクラシックのドラゴンタートルを知る身には実に感慨深い。なお、フランキングの判定には間違いがあったことが判明したが、内輪の話なのでここでは割愛。
 ドラゴンタートルを見識ったということで早速ポリモーフでそれに化けたのはまぁいいが、それが回転しながら高速で飛んで行くってのはさすがにどうなのか、あまりにバカバカしく笑えたので、海賊は降伏することにした。まぁ、カタパルトでの砲戦ならともかく、肉弾戦になれば PC の敵じゃなかったわけだし。
 単独で偵察に出たウィザードがシーライオンを攻撃呪文で一掃したのにはひっくり返った。さすが Evoker。まぁ、戦ってもたいした脅威ではなかったとは思うが。
 スカムに対する知識ロールの目がさらに高ければ、これがアボレスの奴隷種族であることもわかったはずだが、知識の目が足りなかったということで、アボレスは予定通り不意打ちを行うことができた。この時点では「ヤッター!」と思ったわけだが、結果的には時間こそかかったものの大した損害は与えられずに終了。脅威度 7 の限界を感じた瞬間であった。三匹登場したアボレスの一匹は強大化により脅威度 9 になっていたのだが、強大化が「クラスレベルによる」でないモンスターは強化しても限界があるように感じる。
 カイソン戦については、まずアーケインアイでその存在を事前に認識していたという点が効いた。アーケインアイは固体を通過できないが、液体はどうなのだろうか。通過できないという記述がないので通過させてしまったのだが。第二に、毒があることを知った上でヒーローズ・フィーストを使用してあったことも大きかった。脅威度に似合わぬ強烈な毒があったのだが、「完全耐性」の前には無力だ。カイソンは強力な擬似視覚によりインヴィジビリティを無効化できる点や各種の耐性を持つ点で強力だが、飛行能力がなく、呪文抵抗もないというのは苦しかった。飛行モンスターで毎度イヤガラセを仕掛けるわたしの性格を知っているプレイヤーは常に三次元戦闘に対応する準備はしてきており、敵側に飛行性能がないとこれらを活用してかなり優位に立てているようである。
 以下は PC に関する雑感。
 フレンジードバーサーカーのサレヴォグは、デスブリンガー復活により大いに活躍してくれた。途中、Evoker の火力やフルブースト Dervish の火力に劣等感を感じる場面などもあったようだが、地上での殴りあいとなるとやはり一撃の大きさは脅威である。この横を AoO もらいながら駆け抜けるというのはかなり有り得ない選択となるため、その攻撃力で壁としても機能していた感がある。フレンジーについては、スカムの攻撃程度でも発動を避けられない印象であり、最終戦闘までフレンジーを温存するのは至難であるように見えた。
 テンプラーのルーウィンは、そこに絞って強化してきたアーマークラスと攻防一体まで活用した場合の防御性能はまさに異常であった。エンラージにより占有面積も増やした状態では、こちらはその存在自体が強固な壁として機能していた。半分当てるために必要な攻撃ロール修正が +27 って。
 Dervish のシールは、「まさにこれをやるために練った」と本人が云う、その通りのフルブーストでのダンスを成功させて大満足していた模様。今後、大型モンスに対してグラップルを逆手に取ったスニークの連続攻撃を狙ってくると考えると、これは実にキツい。対策は……ないよなぁ……。
 ウィザードのスティーブンは、単独行動でのシーライオン狩りで御満悦であったが、マスター的にはやはり雑魚というかボス取り巻きを一掃される攻撃呪文の火力密度が厳しいところであった。シールド呪文を使えず呪文抵抗も搭載してないモンスターにはマジックミサイルも脅威である。さらに、前半は禁止スクールであったために使えなかったサモンモンスターも脅威というかウザい。ジャイアントクロコダイルとか、まさに肉壁である。
 クレリックのモルダーは、相変わらず天然読み(読んでるわけじゃないけどかけておいてみた呪文が大ヒット)がキツい。さらに、相変わらず呪文の研究成果が毎回ばっちりキマってきてる印象である。今回はヒーローズフィーストが強烈だった。数度のピンチはヒールで安定してしのいでしまうのも強い。
 最後におまけ、カイソン。カイソンかわいいよカイソン。トシ食うとダメだが、ヒナ(ブルードリング)とジュヴナイルのイラストはちょっとシャレにならないぷりちー加減である。イラストはこちら。ちっこい二種がブルードリングとジュヴナイル。直立してしまうと全然ダメだが。なお、この件についてシールの中の人に打診してみたところ「使い魔にしたい!」とのステキコメントが返ってきた。わたしの感性がズレてるわけではないらしい、ということで。
 Scenario #17: Over The Ocean 了

 追記。前回のシナリオタイトルは変更しました。
2005/05/23 (Mon)
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