深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]091016 ~ゾティーク幻妖怪異譚~
▼C. A. スミス(大滝啓裕訳)「ゾティーク幻妖怪異譚」読了。
 ずいぶん時間をかけました。一篇一編が貴金属の硬貨みたいに小粒ながらズシリという感じで、満喫。
 もっとクトゥルフなんかなーと思ってましたが、それはまぁ、さほどでもない感じ。
 何篇かについて軽く。
 拷問者の島。銀死病の描写が素晴らしい。
 死体安置所の神。おおおおこちらが最近の版に登場してらっしゃるモルディギアン様でいらっしゃいますか。案に相違して、筋の通ったローフルな神様であらせられました。やっぱ死の神は LN が似合う?
 エウウォラン王の航海。ユーヴォラン王と似た名前じゃのうと思ってたらやっぱり同一でした。なかなかステキな冒険譚です。滑稽といえば滑稽ですが、オレとしては、どちらかというと士気上がる冒険譚に見えます。
 クセートゥラ。個人的にはベスト。ヴィジュアルイメージの振れ幅が素晴らしいです。
 最後の象形文字。個人的には 2 番目。旅そのものもいいですが、旅立つ前の暮らしの描写と、旅立った後もついてくる忠実な供の描き方が示す、この世界の生活者の感覚のようなものが効きます。
 ナートの降霊術。すげぇラヴストーリー、というか、すげぇハッピーエンド?
 プトゥームの黒人の大修道院長。オチでフイた。
 全般には、タサイドン神とルナリア王女の存在感が印象的。直接登場してもしなくても厳然とその背後に佇んでるみたいな凄みが見事。そしてヨロスの葡萄酒を是非飲んでみたくなりました。
 クトゥルフの参考書、というのとは違うと思いますが、この文体を読める方は是非。
2009/10/16 (Fri)
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