深度 、急速潜行~
[スポンサー広告]スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- (--)
[日々のいとまに]090928 ~いたいけな主人~
▼中里十「いたいけな主人」読了。
 ええと。以前 WEB 版で出てるトコまで読んだ 1492 の全編です。
 「いわゆるひとつの「あのね商法」です」とのことでしたが、名手の文章に金を払うのは文句ねぇし、もう一度読み返す気に充分なっておりましたので、買うコトじたいはまぁ決まってたところ。とはいえ、「すぐ買う」のはどうにも、逆に、毒のダメージが残ってるときにはツラいものがあったのでなぁ……。しばらく時間を置いて、にした次第。
 いやあ、満喫いたしました。
 今回は毒だってことはわかってるので、毒に単純にはやられないように、意識してこっちの身構え方を変えて読んでみたわけですが(二度目だからできた、ってとこかなー)これは面白い。矢印があらゆる組み合わせで引ける恋愛関係「を含む」熱い物語でございました。含む、という云い方はまぁ、可能ではありますが、それがどうしても受け付けないとなると、とても読めないであろう程度には濃いんだけどねー。
 以下、ネタバレにつき水面下。
 「『萌え』ですか」「なめんなよ」「なにを、でしょう……」「萌えを」
 なんというか、連載範囲でもすでに片鱗というか、かなりのものではあったのですが、スゲェ。「繰り返せ」の鮮やかな実践を目の当たりにした感触です。素直な云い方をすれば「伏線の回収」なんでしょうが、やはりこの、セリフとして語られる「言葉の鮮やかさ」は特筆に値すると信じる次第。
 「あと、愛と正義のため」(中略)「でも、愛と正義は成されました」「高くつくよ。なんたって、愛と正義だからね」(中略)たしかに、愛と正義は高くついた。戦争だ。
 この切れ味から、強いて連想したものを挙げるならば「殻雛」でしょうか。まぁでも違うけどな。
 で、この切れ味の見事なセリフで組み上げられている印象が強い物語だからこそ、たまの長ゼリのインパクトがまた強烈なわけですよ。とくに印象的な使い手であるところの橋本美園のいくつかの長ゼリはどれもすさまじい破壊力でしたし、「設楽光の帰還」の啖呵の鮮烈さたるやもう。
 熱すぎて死ぬぜ。
 そしてぶっつけでそれにしっかり応える陛下のパワー。
 ド敬語小説の本領発揮の熱量に全力で感服。
 そう、ド敬語小説ってのもすっさまじい個性だと思います。こんだけ、セリフも地の文もひたすら敬語で埋め尽くされた現代文の小説ってそうそう見れるモンじゃないと思うぜ。
 「あのね商法」だろうが何だろうが大満足です。
 ってか、これ「サイドストーリー」と銘打たれていますが、やっぱりこっちが本筋だろ、
 最後に、最強にやられたセリフをひとつ。
 「『千葉は誇り高い独立国である』(後略)」
 後略の部分が熱量の本体ですが、そこはまぁ、書いてしまったらアレですから。
 おまけ、笑う方向でひっくり返ったネタをひとつ。
 サブタイ「永遠のワタシ、永遠の他人」……ってなんかウテナみたいだなとか思って読み進めたらホントにウテナからの引用でありました。ナンダカネ。
2009/09/28 (Mon)
■ Comment
・コメントを投稿する
URL
Comment
Pass
 
■ Trackback
この記事のトラックバックURL
・この記事へのトラックバック
* Top *
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。