深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]090916 ~新聞記事の受動態~
麻生内閣が総辞職 首相会見、最後は笑顔(asahi.com)
 16日朝の臨時閣議で内閣総辞職を決めた後、麻生首相は首相官邸で退任の記者会見に臨み、「1年という短い期間でしたが、日本のために全力を尽くした。残念ながら、道半ばで退任する」と358日間を振り返った。失言を連発して支持率を下げ、結果的に自民党を歴史的惨敗へ導いた首相だが、最後の記者会見は丁寧な受け答えに終始した。
 「100年に1度の経済不況、リーマン(ショック)から丸1年。世界初の同時不況に迅速に対応できた経済対策を半年余りで4度打ったことは実績として誇れる」。首相は最後の会見でも「政局より政策」の姿勢を強調した。鳩山新政権には「景気回復を確固たるものにするよう努力していただきたい。国際情勢への対処を的確にしていただくことは願ってやまない」。自民党総裁選で意中の人を問われると、「具体的な名前を言うことはありません」と笑顔で会見を締めくくった。
 衆院解散について問われ続けた首相は、解散の決意だけは繰り返し、時期ははぐらかし続けた。特に連日のぶら下がり取材では、同じ質問にいらだち、その様子が報じられて支持率を下げるという悪循環に陥った。対照的にインタビューや記者会見は丁寧。自民党、自公政権が継続して取り組んできた内政・外交政策を語る時は特にそうだった。
 3月のインタビューでは、ラインマーカーで随所に線を引いた資料を手元に置き、時々目を落とした。緊張からか手がかすかにふるえるようにも見えた。質問が北朝鮮によるミサイル発射の動きに及ぶと、慎重に言葉を選んだ。
 「他の国は『ミサイル』、日本だけ『拉致』と言った時、(北朝鮮は)『足並みが乱れた』とか突っ込みたいんだ」。だが、インタビューが終わると「ここで一言感想なんか述べると、ろくなことないからやめようね」。いつもの「麻生節」がのぞいた。
 首相周辺は「これだけまじめな政治家はいないというくらい、まじめ。レク(官僚の政策説明)になるとしばしば寝てしまう総理もいたが、(麻生さんは)いつもラインマーカーを引きながら真剣に聞いていた」。ただ、直後のぶら下がり取材では「一変して態度が悪くなった」(周辺)という。バー通いも批判されたが、実は酒は口に含む程度だ。国会や自民党本部のトイレで手を洗った後、洗面台を丁寧に紙でふき取る姿はカメラには映らない。
 最後の記者会見で、首相は穏やかに言った。
 「歴史の評価が出るには、もう少し時間がかかる」(山浦一人、津川章久)

 「その様子が報じられて」か。報じたのは誰か。白々しく受身で書く資格が、ここに署名した記者にならあるというのか。「その様子をわれわれが報じて」と書くべきところではないのか。
 「バー通いも批判されたが」か。「われわれはバー通いも批判したが」と書くべきところではないのか。
 「カメラには映らない」か。正直、その行動がどうとはオレは思わないが、それをカメラを持つ側が云う資格があるのか。「われわれはカメラに映さない」と書くべきところではないのか。
 ――おそらく、多くは「やめてから」でなければ書いてはならなかったことなのだろう。そういう背景が存在していたのだろう。
 ――新聞にはそういう背景が存在していた――そして明らかに現在も今後も存在している――ということを、あらためて、肝に銘じておかねば、と深く刻んだ次第。
2009/09/16 (Wed)
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