FC2ブログ

   深度 、急速潜行~
[日々のいとまに]090731 ~忘却録音~
▼これだけは劇場で観るかなぁ、と思ってました。
 結局、観ませんでした。
 冒頭でガツンと。ちっきしょー、やっぱ劇場で観るべきだったか。イントロの美しさはここまでのシリーズ最強じゃないですかね。回る星空に、スタッフクレジットがまたたく描写は素晴らしすぎというか、これぞ劇場用っつー感じでございました。まぁ、以降はべつに「これは劇場でなけりゃ!」って感覚ではなかったですが、冒頭はこたえたぜ。
 話のスジとしては、やっぱり原作のほうが好きではありますが、ま、鮮花にフォーカスして暴れさせることに特化するならこれはこれで、まぁなんとか許容範囲っつーとこでしょうかね。個人的には犬は余計。というか、出したこと自体は是だと思うんですが、尺を取りすぎな感じが。全般に何もかも切り落としてる感が強いので、犬が費やしてる尺がちょっと多すぎに感じるってとこかなぁ。
 礼園の制服はあれはおかしいなぁというのも再確認。学校ひとつ分も、コンスタントに、あんなとんでもねぇもの着こなせる人材が揃うわけがないよ!
 美術は素晴らしく、それだけに、これは不当な不満ですが、もったいねぇなぁとも。こんだけの美術があるなら、それにふさわしすぎるワビサビ的な冬休みの景色だけではなく、それに対して浮き上がりうるんじゃないかと想像されるような、学期中の日常の景色も見たかったよ! とかそういう感じで。どうやってもそんな場面入る隙間も必然性もないので、これはホントに不当な不満ですけど。ああ、ゲームとかインタラクティブメディアで歩き回りてぇなぁ礼園。生徒も教師もいらんので、ICO 的にこう、無人の「そこ」を歩き回ること自体に陶酔するような感じのブツになったりしないでしょうかね。しないよねぇ。現代に所属していない感じの場所に現代の人間が普通にいっぱい生活してる的な描写は受身メディアでやっぱり見たいというか読みたいというかあるいは書けるモンなら書きたい(文章でねー)とか思ったりもしますが。なんつーか、ヨーロッパの古い街とかにあるような「歴史的な遺跡的価値バリバリの建物で普通に生活してる」感みたいなのが見たい、読みたい、書きたい。いや、これ、日本でも、日本の歴史に所属するそれの中で、ってことであれば実在してるということを、知識としては知ってるんだけどねー。日本にある洋風かつ古い場所の中の現代の日本人、なモノをです。
 ……ちと脱線しすぎたか。
 音楽は、とくに今回は比較的日常的な場面がすっさまじいというか、シリーズ中では異色であり、作品にはぴったりキマる見事さ。で、曲として、ああ、梶浦だ、としっかり納得。単独で聴いてみるともうなんつーか明らかですな。これはあれだ。舞乙の系統だ。Track 2 とか Track 11 とか、舞乙 OST-1 Track 7「ごきげんよう」(ワンオヴ舞乙最強の名曲だと思います)を全力で思い出させる華やかさと繊細さ。どちらも弓が弦を震わせる響きは録音モノとしてはかなりこれ以上を挙げられないぐらいの見事さだと思うところです。つーか、明らかにホールの生演奏を再現しようなどとはまったく考えてないんだけど、こう仕上げると文句なく効くなぁ。
 「召してどうするんだ」はちゃんとあって満足。で、「ばかシキ」がねぇのがもったいねぇと思ってたらそれはそれでちゃんと出てきて納得。よろしい。これでなくてはな。
 導入をすっきりまとめたのと、卒業アルバム的な形で橙子さんが登場したのはまぁ、アリっちゃアリですが、「なんで橙子さんのところにこんな話が降ってきたのか」についての会話が実はけっこう好きだったので、なかったのは惜しかったかも。つーか瀬尾(って誰だっけ?)出すんならむしろリーズバイフェの名前にも言及しとけ。
 一本目の電話を式に取られたことについてノーコメントなのは若干もったいねぇかな。
 学内をずんずか歩きながら「魔術師」とか大声で口走るとかは素晴らしすぎて爆笑。もうちっと常識人らしい素振りぐらいしとかんで大丈夫か鮮花。
 で、絵で動かすからにはこれやらにゃ、ってな気迫の盛り上がる決戦はさすがの仕上がり。っつーか、式だと優位に立っても不利な場面でも要するにお互い本職同士が本職の土俵でせめぎ合う、ある種の「安心感」というか「安定感」というか「どう帰結しようと、この戦いはこれでいいのだと腹くくれ感」がぴりぴり来て、そこに例の「式の主題」がびしりと決まるわけですが、今回の鮮花対黄路は、それに対比すると、お互い本職ではない同士の対決であり、より一般的な視点ならよりありがちな構図であるにもかかわらず、このシリーズの視点では例外的な構図になっており、通しで見ればはっとするようなインパクト。しかし、妖精が見えてないはずなのによくまぁあんだけの数のファンネル捌くよなぁ鮮花。ファンネル描写も手のかかり具合を見せつける切れ味で上々。圧巻は椅子ダッシュ。式なら顔色ひとつ変えずにやってのけるだろってなところを、かなりギリギリ感をほとばしらせつつ踏破する鮮花の描写が素晴らしいです。「邪魔ッ!」はオレ的にはセリフ不要だと思いますが、わざわざ云わせるところが「式ではなく鮮花」っつーことなのかなぁとも思ったりも。
 んで、シリーズ ED 中では屈指の名曲と信ずるところの「fairytale」を堪能しつつほけーっとエンドロール眺めてたら何やら「神戸女学院」の名が。
 ん? どっかで見覚えあるぞ?
 つーことで、思いついたままに確認。
 わはは、やっぱ内田樹先生のとこかい。
 ……うわー、そうか、そうするといろいろと余計な連想が湧き上がってきて、なおさら「礼園そのもの」についての何かを見たく、読みたく、歩きたく、なってくるですよ!
 こちらから引用。
 廊下の途中に意味不明の「へこみ」があって、古い長椅子が置いてある。
 壁の裏に「隠し階段」がある。
 隠し階段を登ると昼寝のできる「隠し部屋」がある。
 理学館に「隠し三階」と「隠し屋上」があるのを発見したのは、ぼくが赴任して5年目のことでした。
 理事室の奧に「隠しトイレ」があるのを発見するまで、17年かかりました。

 スーゲーエー。
 実在するミッション系の風景を参考にしようとしたときに、そういう建築をもつ学校を選んできたことに勝手に意味を見出し、深く感じ入る次第です。
 ちなみに、オレは一時期東大にいたことがあるんですが、あそこもなかなか似たようなノリがあったりもします。が、それが意図されたものなのかどうかは、「一時期いたことがある」程度のオレにはなんともいえません。しかしまぁ、その場その場で場当たり的な増築や増設を繰り返した結果、謎の空間(ものによってはトマソンな)が出現していたって要素のほうが強かったんじゃないかにゃー。それはそれで面白かったんですけど。
2009/07/31 (Fri)
■ Comment
・コメントを投稿する
URL
Comment
Pass
 
■ Trackback
この記事のトラックバックURL
・この記事へのトラックバック
* Top *