深度 、急速潜行~
▼グインサーガ 122 巻読了。
 本題はネタバレなので水面下として、なんだか今巻は妙に日本語が、というか文章が破綻気味のところがあるように思うのですが、気のせいかなぁ? 一箇所、けっこうハデに破綻してる感じのところと、一箇所、それはグインの話法じゃないんじゃね? って感じのグインのセリフが、あったような?
 御大がへばり気味でいらっしゃった(って話を過去形で普通に書けるのは、つまり、復活なされたからこそであり、まこと重畳であります!)時期とかで多少揺れたりしたんかなぁ? とか思ってしまったりも。
 あと、「今巻のネタバレ」ではないのでここに書いちまえ。これまで何度かシルヴィアから言及されてる「グインがシルヴィアを斬った」のっていつだっけか? グインの記憶が消されてる時期だったとしたら、相当にこう、なんというか……。ひどい話だよな……。
 つーことで、以下水面下にてネタバレ全開でいきます。
 ここから水面下。
 うん。
 なんだ。
 「おいグイン! 何を我慢してる! お前は今、泣いていい! 泣いて、いいんだ……!」*
 ……っつーかグインの頭って泣く機能あるんだっけ? とかそんなコトを思ってしまったりしたり。
 いやあ、しみじみ、つらい話ですな。
 でもまぁ、これ、ケイロニアは滅びるべきな気がしてきましたぜ。
 「誰も教えてくれなかったのだ」「グインのだわ」
 グインは知るべきだったし、知って、泣いてやるべきだったんではないでしょうかね。
 およそ確立された政体における王族のもっとも基本的な役割が「血を残すこと」であることは明らかでしょう。(より不安定な段階においては「民を飢えさせないこと」とかなんとかいろいろ考えられますが)
 そのもっとも基本的なことについて、誰も教えなかった、って。
 そりゃ破綻してるでしょ。
 あとからオクタヴィアが出てきたとはいえ、それまではシルヴィアがたったひとりの帝の血を引く者であり、その重要性を重々承知しており、(リンダのように放り出されたわけでもなく)ちゃんと制度の届く場所に置き続けたというのに、それをきちんと、どころか、最低限の基本的な部分すら教育することができなかったケイロニアの制度って、シルヴィア自身の幸不幸を完全に無視して考えたとしても、絶望的に無能で破綻していると云わざるを得んと思うのですがどうか。
 「子供じゃないんだから」って、な。人は勝手には育たないんだぜ? いや、より低い身分の環境ならば、かなりのところまで「勝手に育つ」的に放任することもできましょう。でも、安定した王国の王家なんてところに生まれて、(それこそリンダのように放り出されたわけでもなく)ずっと手厚い囲いの中に置いておいたからには、「育てなければ」育ちっこない、という当たり前のことにすら気づけなかったアキレウスやら王家周辺の人々(ロベルトも例外とはいえんと思うぜ)は、べつに邪悪だったとも冷酷だったとも思わんけど、無能であった、ということにならざるを得んのじゃないでしょうかね。
 んまぁ、パリスの「誰も教えてくれなかったのだ」や、それを裏づけるがごとき「グインのだわ」を丸呑みした前提で語ってることではありますが、でも、そのあたりの証言に信頼があまり置けないのだとしても、「王家のたったひとりの子」を、必要としていながらきちんと教育し整備することができなかったという点で、すべて、ケイロニア皇家および皇室機関の責任(つーか云っちまえば無能だよな)であったということは事実なんじゃないかね。
 そんなモノ(システム)を、その被害者を責め、やっつけてしまうことで守ろうって。
 それで、守れるとでも思っているのか。
 この後、このあたりのことどもが原因でケイロニアが背負うことになるであろうアレやコレ、シルヴィアの責任であるかのごとく語られるであろうアレやコレは、もしも誰かひとりが責任を負わされるべきなのだとしたら、アキレウスの責任でしょう。
 シルヴィアには、責任能力がないでしょ。自分や他人が原因で責任能力を失ったのだとしたら、そうなるに至ったことは本人の責任だ、とも云えましょうが、彼女は、そもそも、責任能力を獲得する機会を、与えられなかった。
 最後のグイン、確かに諦めがよすぎです。
 グイン、お前、このクソッタレローフルのケイロニア宮廷を皆殺しにしてやるのが正義だぞ。いや、正義じゃないな。誠意ってとこか?
 「俺はあなたの盾にはなれなかった。だからせめてあなたの剣となろう。あなたと、あなたの夫を苦しめた偽善者どもを、これよりすべて平らげてまいろう。それまで、どうか心安らかなる日々を……」**
 ありえんけどな。
 っつーかですね。
 ここまで、ケイロニアの皇族教育システムのダメっぷりについてボロクソにけなしてみたわけですが、実際のところ、どうもリンダもそのへんの「安定した王国における王族のつとめ」の最初の基本とかちゃんと教育されてないっぽかったりして、どうもパロもダメダメな気がしてくるわけですがどうなのか。
 つーか、この世界にまともな王国はないのか。
 その点を重視するとクムがいちばんマトモってことになっちゃうのでしょうか!?
 うーん……うううううん……。
 まぁ、読んでるあいだ、とくに最終章の最後のほうあたりでは、「んまぁ、いろいろとこじれまくったけど、これでどうやらグインとシルヴィアもモメながらでもおさまってきそうかね。フー」とか少し安心したような気分になってきてたところに、「最後であった」って、はいー!? と仰天した勢いでなんか妙なコト書き散らかしてしまった気もしますが反省はしません! とかそんなカンジで。

 * だから、スクライドさっさと観ろ、BOSS!
 ** 元ネタで検索(「クシャナ+毒蛇どもの牙」)かけてみて、どうやら「ゼロの使い魔」にクシャナ殿下オマージュが入ってるらしいということが判明。よくわからん副産物ですが、ちょっとまたゼロが読んでみたいような気分になってみたりならなかったり。ってか、やっぱ基本教養としてハルヒとゼロと香辛料は読んどくべきなのかなぁという気がしてる今日このごろ。しかし本屋で手に取る根性がわかない日々。
 しかし基本教養というなら原作ナウシカは本気で全人類が読むべき名著なので、未読の人は今すぐ本屋に走るべきです。
2008/08/10 (Sun)
080809 * Top * 080811
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